鑑賞法その3
2008.10.11
NHKで視た鑑賞法ということを書いていてもうひとつ思い出したことがある。
まったく絵画鑑賞に興味のない人にすこしでも興味をもって鑑賞してもらう方法ということで紹介されたものである。それは「もし買うとしたらどの絵にするか選んでください」と言って鑑賞してもらうというものであった。大部以前に視た番組なので細かい反応までは覚えていないが 、最初に、ただ漫然と鑑賞していたのと比べると、かなり絵について好き嫌いや、欲しい理由などについて語れる、そんな鑑賞に仕方に変わっていた。
私にも似たような経験がある。学生時代は、美術館や画廊に行っては自分の作品制作の参考になるところはないか、どんな技法をつかっているんだろうか、とそんな視方で人の作品を視ていた。他に作品の鑑賞の仕方があるなどと想いもしなかった。社会人になって、給料をもらうようにると、人の作品を買うのも良いかも、と思うようになった。「買うとしたら」「自分の部屋に飾るとしたら」、今までは考えたこともなかったような気持ちでの作品鑑賞。そんな気持ちで画廊に行くと、不思議なことに何となく作品の見え方が違ってくるのである。いろいろあるので書ききれないが、例えば仕上げの丁寧さなどというが気になったのも「買うとしたら」と思って鑑賞したことと無関係ではない。「飾るとしたら」と考えると自分の志向する画風より、例えばもっと飾り映えのするものはどうだろうか、と今までは気にも留めなかったような作品にも興味がでてきたものである。本当に問題意識ひとつ違うだけで見え方が変わってくるというのは不思議で面白いものである。また、「その値段だったらもう少し足せば欲しかったギターが買えるではないか」などと、他のものと比べる、などという考えも浮かんできたには自分でも驚い た。そうするとこれまで自分の作品を買ってくれた人は、その金額で他にも何か買えるかもしれなかったのに「私の作品を選んでくれたんだなあ」とある種の感 慨が浮かんできたりもした。
「○○するんだったらどの作品」。買うんだったら、飾るんだったら、あの人にプレゼントするんだったら…みなさんもいろいろ想定して鑑賞してみてはいかがだろうか。