アイデアスケッチ
2010.09.02
作品構想の初期段階のアイデアスケッチは、とにかく数多く描くことが大切。ひとつひとつのスケッチの内容が良いにこした事はないのだろうが、もし、良いものを描こうということがプレッシャーとなって筆が進まないのであるなら、「良いもの」などということは念頭からはずしたほうがよい。とにかく数多く描き、自分に見せつけること。良いとか悪いとか考えること、あるいはどのように修正していくかを考えるのは、描いているまさにその瞬間よりも、描き終えたものを視ているときのほうが、客観的で効果的にできるものである。
アイデアスケッチがなかなか進まない人は多い者である。数枚はなんとか描けるがそれからが続かない…。そういう時はまったく別のものを描こうと思わず、既に描いたもののバリエーションを描くことを考えてみよう。今描いたアイデアスケッチに登場するモチーフの位置や大きさ、バランスを変化させてみる。そうすることで1枚のアイデアスケッチから数枚のスケッチが派生してくる。 別のスケッチに描いたものと組み合わせてみる、それでまた何倍にも増加していく。ねずみ算式…とはいわないが、そのようにいくらでも描いていけるものである。しかし求めるところはやはり「質」である。最終的には「良い!これだ!というものにたどり着かなければならない。造形的な感覚は造形的な活動の中で発揮される、と以前書いた事がある。いきなり造形的な感覚がフル稼働するということはない。造形的な感覚がフル稼働するまでウォーミングアップが必要なのは運動とまったく一緒である。描いているうちにだんだんと造形的な感覚、感性が刺激されてくると、ただバリエーションを広げていくだけのアイデアスケッチから新しい展開をみせるアイデアスケッチになってくる。
ただ、こんな理屈以前の問題として良い作品を作ることに飢えているかどうか。本当に飢えているのであれば栄養がどうこうという理屈など抜きにただただ食べようとする。それと同じである。良い作品を作ることに飢えているのであれば、ただただそれを求めて描くきたくなるのである。